公開日:2025年12月19日
掘る

野江にある活版印刷の店には、活字をひとつずつ紙で包んだ「おみく字」が売られています。二度の大きな震災を経ても床に落下せず残った縁起物の活字です。
私が引いた「おみく字」には「掘」という字が刻まれていました。この字には「深掘り」という言葉があるように、何かを奥深く追求していく意味を持った字です。何かを探している時に、あてもなく探し回る時間と、手がかりを見つけて掘り進める時間では、力をかける方向と強さが違います。
振り返れば、これまでの人生で何かを徹底して掘り下げたことがありません。いつも途中で掘るのをやめて、またふらふらと歩き回ってきました。もっと真剣に続けていればどうなっていたんだろうとふと思い返すことがあります。この「掘」という字を見て、何かを掘り当てるか、巨大な岩にぶち当たるか、後悔のない深さまで掘っていきたいと思いました。