公開日:2025年12月3日
神戸建築祭

今年の神戸建築祭の会場のひとつである「旧後藤邸」。広く一般に公開されるのは初めてとのことです。
海と山に挟まれ、急な坂や階段が多い塩屋の街は、歩いて巡るには少し骨が折れます。それでも、昔ながらの商店街や、山側から望む海の景色が懐かしさを感じさせ、つい写真を撮りに足を運んでしまいます。
塩屋には有名な建築物だけでなく、趣のあるレトロなマンションやアパート、古い一軒家、西洋風の美しさがある建物が残っており、ひとつひとつが街並みを作り上げています。ずっとこのままであってほしい街並みですが、建物は時間とともに傷み、いずれ建て替えや取り壊しになるかもしれません。
旧後藤邸は西洋と和の要素が調和した独特の佇まいが印象的でした。一方で、天井の剥がれや、欠けた部分なども見受けられます。
建物がなくなるとともに忘れてしまった景色、新しい建物が立つことで失ってしまう景観は、気づいた頃にはもう戻れないものになってしまいます。
歴史的な建築物に触れることで、これから先も守っていきたい景色とは何かを考えるきっかけになりました。