公開日:2025年9月22日

兆し

兆し

お祭りを撮り始めて、気づけば3年目に入りました。今も変わらず撮影を楽しんでいますが、最初の頃とは心向きが少し変わってきたように思います。

始めた当初は、お祭りの場で生まれる人と人とのつながりに惹かれ、それを写真に残したいと考えていました。その思いは今も変わらずですが、どこか一歩引いた視点で眺めていたようでした。しかし、3年目ともなるとお祭りで出会った人たちが増え、年に一度の出会いでも顔を覚えてくれています。そしてその人たちに撮影した写真プリントやデータを渡し喜んでもらうこと、また翌年もお祭りで会いましょうと約束をすることが今の原動力になっています。写真を通して、毎年帰る場所ができたように感じるのです。

コロナという世界を揺るがす規模の混乱が起こり、それに伴い社会や人の関わり方がガラッと変わりそうな気配もありました。しかし、数年の撮影を通じて感じたことは人の根っこの部分はそう簡単に揺らぐものではないこと。世の中が変わっても昔のような立ち帰れる場所がある。そのことに希望を覚え、写真から少しでも伝わればと思って撮影に今後も取り組んでいきます。

ただ、困ったことに写真を通じた交流が楽しくなってしまい、終わりが見えなくなっています。時間とお金が続く限りライフワークのように撮り続けることになりそうな予感がしています。

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